8月2日、第64回中央最低賃金審議会において、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられ、発表されました。
今年は、全国加重平均の上昇額が31円、岐阜県では880円から910円へ変更となる予定です。
今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
◇答申のポイント
・各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク31円、Bランク31円、Cランク30円、Dランク30円。
ランク | 都道府県 |
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A | 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 |
B | 茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島 |
C | 北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡 |
D | 青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
(注)都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示している。現在、Aランクで6都府県、Bランクで11府県、Cランクで14道県、Dランクで16県となっている。
- この答申は、今年の6月28日に開催された第63回中央最低賃金審議会で、厚生労働大臣から今年度の目安についての諮問を受け、同日に「中央最低賃金審議会目安に関する小委員会」を設置し、5回にわたる審議を重ねて取りまとめた「目安に関する公益委員見解」等を、地方最低賃金審議会に示すものである。
- 仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均の上昇額は31円(昨年度は28円)となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となる。
また、引上げ率に換算すると3.3%(昨年度は3.1%)となっている。
メンタルヘルス不調 休業・退職者がいた事業所10.1%
厚生労働省が公表した「2021年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」によると、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%となっていることが分かりました。
◇メンタルヘルス対策に関する事項
- 過去1年間(令和2年11月1日から令和3年10月31日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%(令和2年調査9.2%)。
- このうち、連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は8.8%(同7.8%)、退職した労働者がいた事業所の割合は4.1%(同3.7%)。
- メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者の割合は0.5%(同0.4%)、退職した労働者の割合は0.2%(同0.1%)。
令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況
厚生労働省は、「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」をまとめ、公表しました。
「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多、「解雇」に関する民事上の個別労働紛争は前年度より減少していることが分かりました。
「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度で、「総合労働相談」、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。
◇総合労働相談コーナー
令和3年度総合労働相談件数(124万2,579件、14年連続で100万件を超え高止まり)
うち・法制度の問い合わせ(83万8,913件)
・労働基準法等の違反の疑いがあるもの(17万70件)
・民事上の個別労働紛争相談件数(28万4,139件)
内訳①いじめ・嫌がらせ(86,034件、10年連続最多) ②自己都合退職(40,501件)
③解雇(33,189件)
◇労働局長による助言・指導
・申出件数(8,484件)
内訳①いじめ・嫌がらせ(1,689件、9年連続最多) ②労働条件の引き下げ(816件)
③自己都合退職(771件)
◇紛争調整委員会によるあっせん
・申請件数(3,760件)
内訳①いじめ・嫌がらせ(1,172件、8年連続最多) ②解雇(743件) ③雇い止め(373件)