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知っておきたい最新の労務情報 第73弾 [2021.11.01]

令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況

 厚生労働省は、「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」をまとめ、公表しました。
 「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多、「解雇」等に関する民事上の個別労働紛争が前年度より増加していることが分かりました。
 「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度で、「総合労働相談(※1)」、都道府県労働局長による「助言・指導(※2)」、紛争調整委員会による「あっせん(※3)」の3つの方法があります。


◇総合労働相談コーナー

令和2年度総合労働相談件数(129万782件)
うち・法制度の問い合わせ(87万5,468件)
  ・労働基準法等の違反の疑いがあるもの(19万961件)
  ・民事上の個別労働紛争相談件数(27万8,778件)
   内訳①いじめ・嫌がらせ(79,190件、9年連続最多) ②自己都合退職(39,498件)
     ③解雇(37,826件)

◇労働局長による助言・指導

・申出件数(9,130件)
 内訳①いじめ・嫌がらせ(1,831件、8年連続最多) ②解雇(962件)
   ③労働条件の引き下げ(897件)

◇紛争調整委員会によるあっせん

・申請件数(4,255件)
 内訳①いじめ・嫌がらせ(1,261件、7年連続最多) ②解雇(983件) ③雇い止め(427件)


※1:「総合労働相談」

都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など379か所(令和3年4月1日現在)に、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナーを設置し、専門の相談員が対応。なお、平成28年度から、都道府県労働局の組織見直しにより「雇用環境・均等(部)室」が設置され、これまで「雇用均等室」で対応していた男女雇用機会均等法等に関しても一体的に労働相談として対応することになったため、それらの相談件数も計上されている。

※2:「助言・指導」

民事上の個別労働紛争について、都道府県労働局長が、紛争当事者に対して解決の方向を示すことで、紛争当事者の自主的な解決を促進する制度。助言は、当事者の話し合いを促進するよう口頭または文書で行うものであり、指導は、当事者のいずれかに問題がある場合に問題点を指摘し、解決の方向性を文書で示すもの。

※3:「あっせん」

都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会のあっせん委員(弁護士や大学教授など労働問題の専門家)が紛争当事者の間に入って話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る制度。

※4:「民事上の個別労働紛争」

労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(労働基準法等の違反に関するものを除く)。


雇用調整助成金 特例措置 来年3月末まで継続へ

 厚生労働省は、雇用調整助成金について、11月末までとしている特例措置を来年3月末まで継続する方針を公表しました。
 現在の助成内容については12月末まで継続、1月以降の内容については、11月中に発表される予定です。

(注)以下は、事業主の皆様に政府としての方針を表明したものです。施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点での予定となります。

 新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置については、令和3年11月末までとしているところですが、来年3月まで延長します。現在の助成内容は令和3年12月末まで継続することとする予定です。

 令和4年1月以降の特例措置の内容については、「経済財政運営と改革の基本方針2021(令和3年6月18日閣議決定)」に沿って、具体的な助成内容を検討の上、11月中に改めてお知らせします。


雇用保険 マルチジョブホルダー制度を新設

 令和4年1月1日から65歳以上の労働者を対象に「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が新設されます。


◇マルチジョブホルダー制度とは

 従来の雇用保険制度は、主たる事業所での労働条件が1週間の所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込み等の適用要件を満たす場合に適用されます。
 これに対して、雇用保険マルチジョブホルダー制度は、複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の要件を満たす場合に、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度です。

◇適用要件

・複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
・2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)
 の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること

◇事業主の注意点

・マルチジョブホルダーがマルチ高年齢被保険者の資格を取得した日から雇用保険料の
 納付義務が発生します。