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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第15弾

知っておきたい最新の税務情報 第15弾 [2012.3.26]

特定支出控除の範囲の拡大

 平成23年12月に、平成24年度の税制改正大綱が発表されました。このたびの税制改正大綱の中に、平成23年度の税制改正大綱にも盛り込まれておりました個人所得税の特定支出控除について範囲の拡大等を行い、給与所得者の実額控除の機会を拡大する旨の案が提出されました。この特定支出控除の範囲の拡大について検討していきたいと思います。

 これまでの特定支出控除制度とは、給与所得者が次の(1)から(5)の特定支出をした場合、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超えるときは、確定申告によりその超える金額を給与所得控除後の金額から差し引くことができる制度でした。

 

(1) 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出

(2)転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のうち一定のもの

(3) 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出

(4) 職務に直接必要な資格(一定の資格を除きます。)を取得するための支出

(5) 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために
  通常必要な支出のうち一定のもの

 

 これらの5つの特定支出は、いずれも給与支払者が証明したものに限られます。また、給与の支払者から補てんされる部分は特定支出から除かれます。

 今回の改正点では、特定支出の範囲に次に掲げる支出が追加されています。(イ) 職務の遂行に直接必要な弁護士、公認会計士、税理士、弁理士などの資格取得費(ロ) 職務と関連のある図書の購入費、職場で着用する衣服の衣服費及び職務に通常必要な交際費(勤務必要経費)(注:その年中に支出した勤務必要経費の金額の合計額が 65 万円を超える場合には、65 万円を限度とします。)また、特定支出控除の適用判定・計算方法の見直しが行われております。その年の特定支出の額の合計額が、次に掲げる場合の区分に応じ それぞれ次に定める金額を超える場合(現行:給与所得控除額を超える場合)は、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算することができることとします。

 

  (イ) その年中の給与等の収入金額が1,500万円以下の場合 その年中の給与所得

     控除額の2分の1に相当する金額

  (ロ) その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合 125 万円

 

 今回の改正により、給与所得から控除できる可能性のある費用は拡大しました。そもそも給与所得控除は「勤務費用の概算控除」と「他の所得との負担調整のための特別控除」という2つの目的があります。しかし、就業者の9割が給与所得者であり、他の所得との負担調整を認める必要性に疑問があることや給与所得者の必要経費は給与収入の約6%であるとの見方もあり給与所得控除制度自身の見直しが叫ばれております。そんな制度の見直しの一環として特定支出控除が見直されています。士業を目指されている方やその他専門職の方で書籍を多く購入されている方は、一度計算されてみてはいかがでしょうか?

 

例)給与収入金額500万円(給与所得控除154万円)の場合特定支出100万円行うと

給与所得控除

特定支出控除

154万円控除(変わらず)

【現行】154万円を超えないので適用なし

【改正後】(154万円×1/2)=77万円

これを超える23万円を上乗せ控除

 

税理士 鹿野尚宏