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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第23弾

知っておきたい最新の税務情報 第23弾 [2012.11.11]

緩和が期待される事業承継税制(納税猶予制度)

1. 相続税の納税猶予制度

 後継者(=相続人。先代経営者の親族)が、相続により非上場会社の株式を取得し、本制度の要件を満たす場合には、後継者が相続前から既に保有していた議決権株式を含めて、発行済完全議決権株式総数の2/3に達するまでの部分について、課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます。
 ただし、相続税の申告期限から5年間、事業を継続するなどの必要があります。
 具体的には以下のとおりです。
 1認定を受けた会社の代表者であること
 2雇用(従業員数)の8割以上を維持すること
 3相続した対象株式を保有していること 等

 

2. 贈与税の納税猶予制度

 後継者(=受贈者。先代経営者の親族)が、先代経営者から一定以上の自社株式の贈与を受け、本制度の要件を満たす場合には、贈与前から後継者が既に保有していた議決権株式を含め発行済完全議決権株式総数の2/3に達するまでの部分について、贈与税の全額の納税が猶予されます。

 

3. 事業承継の際の相続税・贈与税の納税猶予制度が導入から4年経過

 自社株の価値が高く、納税額が高額となる中小企業の切実な期待の元に誕生したのですが、全国でわずか500件程度の利用しかないといわれています。この制度の緩和措置が来年度の税制改正で導入されるかもしれません。
 日本商工会議所の井上税制委員長の税制調査会での発言によれば、「制度が知られていないとの意見も聞きますが、商工会議所ではセミナーだけでも1,500 回、4万人に広報するなど、あらゆる機会を捉えて周知をしています。しかし、リスクが高く、使いたくても使えないというのが実態です。」と明快です。
 特に急激な経済変動がいつでも起こり得る昨今、5年間、雇用の8割以上を維持しなければならず、1%でも下回れば一発で納税猶予が打ち切られる制度では経営者が怖くて使えません。
 生前贈与の納税猶予制度では、現社長が、役員を退任することが要件になっていますが、代表権が外れるだけで十分であると思います。
 相続税の納税猶予割合が現在8割であるものを、10 割への引上げや、株式総数上限の3分の2の撤廃など、より制度が使われるように、要件の緩和が期待されます。
 また、相続税の課税強化に関して来年度改正とあわせて結論を得ることになっていますが、大都市だけの問題ではなくて、各地に影響が出るレベルの課税強化であり、地域の駅前商店街の個人事業主の事業承継に影響があるという声もあります。事業承継の観点から、相続税の課税強化は要注意です。

 

税理士 長谷川敏也