労務に関する問題

税務に関する問題

金融に関する問題

平井先生の労務のツボ

税務に関する問題

金融に関する問題

セミナー

検定

キラリ★この企業

電話でのお問い合わせ

お問い合わせ メールはコチラ

税務に関する情報

HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第43弾

知っておきたい最新の税務情報 第43弾 [2014.07.24]

相続税及び贈与税の税制改正に備えて

平成25年度税制改正により、相続税法及び租税特別措置法の一部が改正され、平成27年1月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税が大きく変わります。
「相続税の大増税」と世間では言われますが、先々相続税の負担が心配な方は、改正の内容をしっかりと把握して、対策を検討することが大切です。主な改正は次の通りです。


1. 相続税の主な改正事項

  (1) 遺産に係る基礎控除の引き下げ
  (2) 最高税率の引上げなどの税率構造の改正
  (3) 未成年者控除、障害者控除の税額控除の引上げ
  (4) 小規模宅地等の特例の拡充(減額できる限度面積の拡大)


2. 贈与税の主な改正事項

  (1) 適用対象者の範囲の拡大など相続時精算課税制度の適用要件の変更
  (2) 贈与税(暦年課税)の税率構造の改正


3. 相続税、贈与税の双方にかかわる適用要件が緩和された事業承継税制の改正

上記のうち、幅広く影響があると思われる改正をみていきます。

・遺産に係る基礎控除の引き下げ
   【改正前】                 
     定額控除5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
   【改正後】
     定額控除3,000万円+600万円×法定相続人の数


・小規模宅地等の特例の拡充(減額できる限度面積の拡大)
 ①居住用宅地(特定居住用宅地等)の限度面積の拡大


 ②居住用と事業用の宅地等を選択する場合の適用面積の拡大


・贈与税(暦年課税)の税率構造の改正

基礎控除後の課税価格
【改正前】
【改正後】
税率

一般税率
(一般贈与財産)(※)

特例税率
(特例贈与財産)(※)

        〜200万円以下
10%
10%
10%
   200万円超〜300万円以下
15%
15%
15%
   300万円超〜400万円以下
20%
20%
   400万円超〜600万円以下
30%
30%
20%
  600万円超〜1,000万円以下
40%
40%
30%
 1,000万円超〜1,500万円以下
50%
45%
40%
 1,500万円超〜3,000万円以下
50%
45%
 3,000万円超〜4,500万円以下
55%
50%
 4,500万円超〜
55%

(※)暦年課税の場合において、直系尊属(父母や祖父母)からの贈与により財産を取得した受贈者(財産の贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者に限ります。)については、「特例税率」を適用して税額を計算します。この特例税率の適用がある財産のことを「特例贈与財産」と言います。また、特例税率の適用がない財産(「一般税率」を適用する財産)のことを「一般贈与財産」と言います。
この改正により、父母から子、祖父母から孫への贈与税が改正前よりも緩和されることになります。


相続税の負担を小さくする方法として、「財産の評価を下げる(課税ベースを小さくする)」と「被相続人の財産を減らす」がありますが、その観点で考えますと、基礎控除の引き下げは課税ベースが拡大しますので増税の方向です。小規模宅地等の特例の拡充は課税ベースが縮小しますので減税の方向、贈与税率の税率構造の改正のうち特例贈与財産を直系尊属間の贈与で上手く利用できれば、被相続人の財産を上手に減らすことが可能になりますので、減税の方向です。


相続税は相続がいつ発生するか分かりませんので、納税の負担がいつ発生するか分かりません。そのような中で、納税の心配を解消するために、また、将来の税負担を軽くするには、まず、被相続人の財産にどのような財産があるかを把握し、相続時にどのような特例が使え、把握時点でどの程度の相続税が発生するかを予想することが必要です。それを踏まえて、相続時にどのような財産を残しておくのが良いのか、贈与に適した財産を決めて継続的に財産を相続人に贈与していき財産を効率よく減らしていくかを検討していくことが望まれます。

相続税は増税の方向ですが、贈与を計画的に上手く使って、将来の不安を解消していきたいものです。


税理士 出口 茂