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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第44弾

知っておきたい最新の税務情報 第44弾 [2014.08.08]

生産性向上設備投資促進税制について

1.はじめに

 平成26年度税制改正において、国内での設備投資をリーマンショック前の水準に回復させる目的で「生産性向上設備投資促進税制」が創設されました。生産性向上のために国内設備投資を増加させた法人については、新たに国内で取得又は製作(以下「取得等」)した機械装置等について、即時償却、特別償却または税額控除が可能となりました。(なお、本制度は平成25年度税制改正で成立した「生産等設備投資促進税制」とは別の制度ですので注意が必要です)


2.適用期間

 産業競争力強化法施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までに取得等をした設備等について適用できます。すでに、適用期間が始まっており、適用を検討中の企業もあるかと思います。


3.税制措置

 取得等の時期によって適用できる償却、税額控除の限度額が変わります。

 
 H26.1.20〜H28.3.31 
の間の取得等 
 H28.4.1〜H29.3.31 
の間の取得等 
 機械装置など 
 即時償却
 または5%の税額控除
 50%特別償却
 または4%の税額控除
 建物、構築物 
 即時償却
 または3%税額控除
 25%特別償却
 または2%税額控除

4.対象となる法人

 青色申告法人が対象で、製造業のみならず非製造業も対象とされます。また、中小法人に限定されず上場会社のような大規模法人についても対象設備の範囲は異なりますが本制度を適用することができます。


5.対象設備

 本制度が適用される設備(生産等設備)は、国内にある法人の企業に供する生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物付属設備、構築物及びソフトウエアであって、次の2つの要件を満たすことが必要です。

①産業競争力強化法に規定する「生産性向上設備等」(後述6.参照)に該当すること
②一定の規模(価格)以上であること。

 機械装置
160万円以上
 工具及び器具備品 
120万円(単品30万円以上かつ合計120万円)以上 
 建物
120万円以上
 建物付属設備
120万円(単品60万円以上かつ合計120万円)以上 
 ソフトウエア
70万円(単品30万円以上かつ合計70万円)以上

 なお、適用対象となる設備は、その法人の事業の用に直接供される減価償却資産で構成されているものをいい、本店、寄宿舎等の建物や事務用機械器具備品、福利厚生施設等は該当しません。


6.生産性向上設備等

 前項での「生産性向上設備等」とは産業競争力強化法に規定する「先端設備」および「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」(以下「利益改善設備」)をいいます。


①「先端設備」

 前項にいう機械装置その他の償却資産のうち、先端性の要件を満たすものをいいます。なお、機械装置以外は一部の設備のみ該当するにとどまりますので、具体的対象設備について先端設備に該当するか確認する必要があります。また、先端設備といいうるためには、最新モデルであり、かつ旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上していることを要します。先端設備に該当するか否かについては、各メーカーから申請を受けて工業会等が確認をすることとされています。また、本制度を適用しようとする法人は、メーカーから先端設備に該当する旨の証明書の交付を受け申告書に添付しなくてはなりません。

 新規に設備投資をおこなった際には、販売店やメーカー等に対して産業協力強化法に規定する「先端設備」に該当するのかどうか問い合わせることが是非必要です。なお、経済産業省のホームページ上に工業会等のリストが掲載されていますので参考にしてください。先端設備に該当するものについては、後述の利益改善設備に比べて手続きが簡単で適用を検討する機会も多いものと思われます。


②「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」(利益改善設備)
 法人の生産ラインやオペレーション改善(つまり利益改善)のための一連の設備が丸ごと対象となります。適用のためには、投資計画を作成し、公認会計士または税理士の事前確認を受けたうえで経済産業局へ申請し、生産性の向上にかかる要件を満たすことにつき確認を受ける必要があります。生産性の向上に係る要件は、投資計画における投資利益率(営業利益プラス減価償却費の増加額を設備投資額で除した数値)が15%以上(中小企業者等は5%以上)であることとされています。

 なお、経済産業省のホームページ上に投資計画の確認申請書等のひな形が掲載されており、これらを利用することができます。


7.中小企業投資促進税制との関連

 青色申告を提出する中小企業者の場合、中小企業投資促進税制(中長期業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)と適用範囲が重なることも多いと思われます。平成26年改正法人税法では、現行の中小企業投資促進税制を3年間延長したうえで、取得等した機械等が上述の生産性向上設備等に該当するものについては、従来の特別償却、税額控除の内容を拡大し、次のような「上乗せ措置」が講じられています。

改正前
 改正後(上乗せ措置)
 普通償却費+30%特別償却 
 即時償却
 7%税額控除
 (資本金3,000万円超適用不可)
 10%税額控除
 (資本金3,000万円超7%)
 

「上乗せ措置」の対象となるのは、産業競争力強化法施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に取得等した資産です。


税理士 小林正俊