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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第46弾

知っておきたい最新の税務情報 第46弾 [2014.10.10]

『事業承継税制(非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予制度)の緩和』

1、 はじめに

 経営において経営者の最初で最後の大仕事は次世代への事業承継だと言われています。
ところがその事業承継がスムーズにいかないことが多く見受けられます。
 2006年版中小企業白書によると、年間約29万社の廃業のうち、後継者不在を第一の理由とする廃業が約7万社、雇用の喪失は毎年20万人から35万人にも上ると推定されています。
 後継者不在による中小企業の技術喪失や地域における雇用の喪失は大きな問題として捉えられています。


2、 事業を承継するとは?

 事業を承継するとは文字通り、現経営者から次の経営者へと事業を承継することです。
言葉では簡単ですが実際に事業承継をする際にはそう簡単にはいきません。
現経営者「明日からお前に経営のすべてを任せるからな」
後継者「はい、わかりました」
となれば良いのですがそうはいきません。
人がついてこない
金融機関が認めない
覚悟が出来ていない
などなどの諸問題を解決していかないと円滑な事業承継は出来ません。


3、 事業承継が上手くいかない理由は?

 事業承継において組織体制や金融機関対応など形式的な承継は、後継者が経営者としての自覚を持ち、先代経営者の考え方(経営理念)を理解することから始まります。
が、事業承継にはそれだけでは無い問題が控えています。
その問題とは中小企業の株式の相続、贈与の問題です。
中小企業の株式の多くは市場に流通しない非上場株式となります。
しかもその株式のほとんどをオーナーである社長や親族が所有しています。
相続・贈与の際の株式の評価は時価評価です。
1千万円の出資をして始めた会社が何十年も順調に経営をしてくると株価は何倍にも膨れ上がることがあります。10倍であれば1億円の時価評価となります。
市場に流通しないことから換金性も無く、相続・贈与の際に1億円という株式はあっても金銭での1億円はありません。
これが中小企業の後継者にとっては大きな負担になっています。


4、 事業承継税制とは?

 上述したような後継者の納税負担を軽減するため、平成20年5月に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下、経営承継円滑化法)」が成立、同年10月1日から施行されました(民法の特例に関する規定は平成21年3月1日から施行)。そして、平成21年の通常国会に税法の一部改正案が提出され、経営承継円滑化法における経済産業大臣の認定を受けた中小企業の株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度が創設されました。
 中小企業の後継者が現経営者から自社株式を相続する際は、一定の要件を満たし、経済産業大臣の認定手続き、税務署への納税申告がされる場合には、取得した自社株式の80%部分の相続税の納税が猶予されるという制度です。(贈与の場合は100%)


5、 改正のポイントは?

 改正の主なポイントは下記のとおりです。
  ① 制度利用の前に経済産業大臣の「事前確認」が必要だったが
    平成25年4月以降は事前確認が不要。
  ② 後継者は現経営者の親族に限定されていたが、平成27年1月からは親族外でも可能。
  ③ 雇用の8割以上を5年間毎年維持することが求められていたが、
    雇用の8割以上維持は5年間の平均で評価。


6、 終わりに

 税制は経済情勢や社会環境によって目まぐるしく変わります。知らなかった!!ということが無いように情報を収集しておきましょう。
適用の際は最寄りの税理士にご相談ください。
 この改正は原則として平成27年1月1日以後に相続もしくは遺贈又は贈与により取得する非上場株式等に係る相続税又は贈与税について適用されます。


税理士 岩田英人