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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第51弾

知っておきたい最新の税務情報 第51弾 [2015.03.03]

「ふるさと納税」


<導入の趣旨と制度の概要>

 地方で生まれ、地方の税金を使って教育を受け、大人になると東京を中心とした大都市で進学や就職をするため、住民税は大都市に集中する傾向があります。その矛盾を解消するため、都市に住む人がふるさとに寄付をすることによって、寄付した一部が所得税や住民税から控除されるという仕組みが考えられました。「ふるさと」とは、生まれた場所や幼少期を過ごした場所、両親の出身地など、その定義は難しく、確認のための事務負担が膨大になるという理由から、国内のどの都道府県、市町村への寄付であっても、ふるさと納税の対象となりました。
 都道府県や市町村へ寄付を行い、その自治体から交付された領収書を添付して所得税の確定申告をすることにより、その年分の所得税と翌年分の住民税から税額控除され、所得に応じた一定の限度額までであれば実質負担額が2,000円となります。


<地方自治体からのお礼>

 ふるさと納税という制度を利用して寄付を行うことにより、寄付のお礼として、米や肉など、その地域の特産品をお礼として贈呈している自治体は多くあり、そのお礼を目的とした寄付が増えているそうです。
 「ふるさとチョイス」というホームページが開設されており、①特産品で選ぶ、②使い道で選ぶ、③地域で選ぶなどから、どの都道府県、市町村に寄付をするか検索することができます。
 三重県伊賀市では、500万円以上の寄付に対して、純金の手裏剣(30〜40万円相当)を贈呈するとしたところ、東京都在住の男性から1,500万円を寄付するから、手裏剣を3枚欲しいという問い合わせがあり、1,500万円が振り込まれたといいます。
 長野県飯山市では、金額に応じて、パソコンやタブレット、液晶ディスプレイが贈られるというものがあります。これも、パソコン・周辺機器メーカーの工場が同市にあるため、市の特産品としているようです。


<お礼に対する所得税課税>

 国税庁のホームページには、「寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。」と示されています。地方公共団体という法人からの贈与により取得したものである、とその根拠が説明されています。一時所得は、50万円の特別控除が認められているため、多額の特産品を受け取るか、他に一時所得がある場合以外では、実際に課税されることは余りないと思われます。


<平成27年度改正>

 平成27年度税制改正では、平成27年分の所得税の確定申告から、「限度額を2倍に引き上げること」と「確定申告の簡素化」を目指した改正が予定されています。5つの自治体までなら申告せずに、ふるさと納税を利用できる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を導入しようとしています。


<お礼の是非>

 町税以上の寄付が集まるという自治体がある一方、ふるさと納税の特産品による減収分の方が大きいという自治体もあります。ある自治体の増収分は、他の自治体の減収となるのです。そこに、ふるさと納税(寄付)をしてくれた人へのお礼の費用や制度を理解してもらうための広告宣伝費用など自治体の負担は大きいといいます。
 一方、これを機会に大都市にある県人会などと連携して、大都市に住む人と地方都市が深く関わることができたり、地域の特産品を贈呈することにより、産業振興に役立つというメリットもあるようです。
 ふるさと納税は、本来の趣旨から外れた方向に進んでいるという批判もあります。政府・与党は、限度額を2倍に引き上げる一方で、「地方公共団体に対し、返礼品等の送付について、寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応を要請する。」としています。


税理士 木村 幹雄