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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第58弾

知っておきたい最新の税務情報 第58弾 [2015.10.15]

「財産債務明細書」から「財産債務調書」へ

 平成27年分の個人確定申告から「財産債務調書」制度が始まり、提出を義務づけられる人が出てきます。このように書くと確定申告の手続きがややこしくなるようで、憂慮されるかもしれません。正確には、今までの「財産債務明細書」制度から「財産債務調書」制度へと変わります。これによって、実際に提出する人にはかなりの事務負担が増えると想像されます。また、提出義務が無くなり手間が減る人も多いでしょう。
 以下で、詳しくみていきましょう。

1.今までの「財産債務明細書」とは

 平成26年分までの個人確定申告では、その年の所得が2,000万円を超える人に「財産及び債務の明細書」を提出する義務がありました。
 この明細書に記載すべき財産は、土地、建物、山林、現金、預貯金、有価証券(株式、公社債、証券投資信託など)、貸付金、未収入金、受取手形、書画骨董等、貴金属、家庭用動産、その他となっていました。また債務は、借入金、支払手形、未払金、未払税金、その他となっていました。
 そして、個人事業を営んでいる場合は、個人事業用の財産及び債務と、事業以外のものとは分けて同じように記載する必要がありました。

2.これからの「財産債務調書」の提出義務

 まず、提出する義務のある人は、次の①と②との両方に該当する人に変わります。
  ①その年の所得金額が2,000万円を超える人
  ②その年の12月31日において合計3億円以上の財産を持つ人、
   または合計1億円以上の国外転出特例対象財産を持つ人
 3億円以上の財産を持っているかいないかは、おおよそ想定がつくと思いますが、「国外転出特例対象財産」とは何でしょうか?簡潔に説明すると有価証券等(株式、投資信託等、未決済信用取引等、未決済デリバティブ取引など)となります。
 今までの2,000万円以上の所得という条件に、資産が3億円以上または1億円以上の有価証券等を持っていること、という条件が加わることになります。

3.これからの「財産債務調書」の記載内容

 そして、さらに記載内容が変更になりました。財産についての所在を記載することが必要になりました。また有価証券についても銘柄を記載することとなりました。
 金額の欄の記載方法も変わりました。今までは基本的に一度記載した項目に変更が無い場合、翌年以降は同じ金額を書くとされていました。これからは毎年の年末の時価(もしくは見積価額)を記載する事となりました。

4.まとめと対策

 今までの「財産債務明細書」から「財産債務調書」へ変わることで、提出義務の判断に財産金額が加わります。これによって、提出義務者は減ることになります。しかし、記載項目が細かくなる上に、年末時点の時価を把握する必要があり、提出義務者には確実に事務負担が増えます。
 該当すると思われる場合は、年末を迎える前に、準備を始めていただき、不明な点は税理士に相談するなどの対策を進めることをお勧めします。

5.さらなる理解のために

 今回の改正は、平成26年から始まった「国外財産調書」と、平成27年7月1日から始まった「国外転出時課税制度」と、2つの制度とセットで考えていただくと、理解しやすいと思います。
 平成27年1月からは相続税も改正されているように、財産に関わる税制の変更が多くなっています。十分に情報収集をしてうっかりミスや勘違いなどが無いよう、注意しながら確定申告時期を迎えたいものと思います。


税理士 水野貴文