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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第79弾

知っておきたい最新の税務情報 第79弾 [2017.07.05]

電子帳簿保存法

 企業にとって会計関係の帳簿書類の保管は頭の痛い問題です。法人税法では、帳簿書類はその事業年度の確定申告期限の翌日から原則7年間保存することが定められています。書類を印刷するにもコストがかかりますし、7年分の書類を保管するとなると収納するスペースも必要となります。
 一方で、国税関係の帳簿書類については、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」(以下「電子帳簿保存法」という)において、税務署長等の承認を受けることにより、紙媒体での帳簿書類の備付け及び保存に代えて、帳簿の電子データ保存や領収書等のスキャナ保存が認められています。
 帳簿や書類をペーパーレス化して電子データ等で保存することにより、紙媒体で保管する場合に発生するコストや、書類の保管に取られてしまうスペースを減らすことができます。
 電子帳簿保存法は、制度開始から20年近く経ちますが、保存方法に関する要件や適用可能な書類の制限がありそれほど利用されていませんでした。しかし平成27年度及び平成28年度税制改正により、保存方法や適用範囲が改正されたことで使い勝手が良くなっています。領収書等のスキャナ保存については、改正により以下のような変更がなされています。
 ①従来は3万円未満に限定されていた領収書等の金額要件の撤廃
 ②領収書等のデータ保存の際に付されていた電子署名が不要となった
 ③スマートフォン等のカメラを利用して読み取ることが可能となった
 改正前は3万円以上の領収書は紙媒体での保管が義務とされていたことで、スキャナ保存できるものと紙媒体で残すものの選別が必要でしたが、改正により全ての領収書等をスキャナ保存できるようになりました。その他も改正前と比べて利便性が高まる変更が多かったため、電子帳簿保存法は従来よりも利用しやすくなっています。
 ただし、これまで紙媒体で保管する必要があった帳簿書類を電子データ保存やスキャナ保存することには厳格性も求められています。要件は多岐にわたりますので、申請にあたっては各要件への対応を検討する必要がありますが、例として領収書等のスキャナ保存の要件を簡単に紹介します。領収書等のスキャナ保存の要件には大きくは「真実性の確保」と「可視性の確保」があります。「真実性の確保」には、領収書等を取得してから一定期間内に入力を行い、スキャナ保存された内容が改ざんされていないことを証明するタイムスタンプを付す必要があります。また、事務フローでは複数人が関わる体制とし、スキャナ保存後に定期的なチェックを行う必要があります。「可視性の確保」には会計帳簿との関連性を確認できるようにすること、また一定条件で検索ができることが必要です。また、領収書等を表示・印刷するディスプレイやプリンタに関する要件もあります。
 なお、制度を適用する場合には、適用を受けようとする3月前の日までに所轄税務署長等に申請をする必要があります。申請から適用までに期間がありますのでご注意ください。
 電子帳簿保存法の適用には多くの要件があります。上記ではそのうちスキャナ保存に関するものを一部紹介しましたが、申請をする書類の種類や保存方法により対処法が変わってきます。制度を適用する場合には電子帳簿保存法に対応した事務フローや機器の整備が必要です。ただ、近年では電子帳簿保存法に対応した会計ソフトやクラウドサービスの発展もあり、上手に活用すれば制度導入のハードルは以前ほど高くないと思います。帳簿書類の保管に悩んでいる企業には課題を解決するチャンスかもしれません。導入を検討してみてはいかがでしょうか。


税理士 佐藤輝弥