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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第85弾

知っておきたい最新の税務情報 第85弾 [2018.01.09]

非居住者等から不動産を購入した時の源泉徴収

 グローバル化が進む現代、海外で居住する日本人や外国人による日本国内の不動産取引が増えてきています。今回は、非居住者等から国内の不動産を購入した場合の課税関係について紹介します。


1. 非居住者等から日本国内にある不動産を購入した場合の源泉徴収

 非居住者や外国法人(以下「非居住者等」といいます。)から日本国内にある土地等を購入した場合には、売主である非居住者等の申告漏れを防ぐという観点から、購入者は対価を支払う際に、10.21%の税率で、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収し、翌月10日までに納付しなければなりません。つまり、非居住者に支払う金額は譲渡対価の89.79%相当額となります。また、非居住者等に対して土地等の譲渡対価を国外で支払う場合であっても、支払者が国内に住所若しくは居所又は事務所等を有するときは、国内での支払とみなして、源泉徴収しなければなりません。この場合の納付期限は、支払った月の翌月10日ではなく、支払った月の翌月末日となります。


2.「土地等」の範囲と源泉徴収義務者

 源泉徴収の対象となる「土地等」の範囲には、土地又は土地の上に存する権利、建物及びその付属設備、構築物が含まれます。
 源泉徴収義務者は法人や個人事業主だけではなく、一般のサラリーマンなども非居住者等に対して土地等の譲渡対価を支払った場合には、原則として源泉徴収義務者になり納税の義務があります。


3. 所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなくてもよい場合

 「土地等」の購入者が個人であり、その譲渡対価が1億円以下で、自己又はその親族(配偶者、6親等内の血族及び3親等内の姻族)の居住の用に供するために、非居住者等から土地等を購入した場合には、その個人は、支払の際の源泉徴収をしなくてもよいことになっています。


4. 非居住者の確定申告

 我が国が締結している多くの租税条約では、不動産等の譲渡対価について、不動産の所在する国においても課税できるとする規定を置いています。したがって、非居住者が国内にある不動産を譲渡した場合には、租税条約においても、その譲渡により生じる所得について、我が国で課税できることになっています。譲渡者は源泉徴収を行っても確定申告が必要であり、確定申告を行うことによって源泉徴収された金額が精算されます。


5. 非居住者の判定

 非居住者とは、原則として日本国内に住所がなく、現在まで引き続き1年以上居所を有しない個人のことをいいます。上記の定義での「住所」とは、「個人の生活の本拠」のことをいい、国内に「生活の本拠」があるかどうかは、客観的事実によって判定します。また、「居所」とは「その人の生活の本拠という程度には至らないが、その人が現実に居住している場所」のことをいいます。
 居住者か非居住者かの区分は、その人の国籍は一切関係ありません。外国国籍を有する人が居住者に該当する場合もあり、日本国籍を有し一見居住者のような人でも非居住者に該当する場合があります。


6. まとめ

 非居住者等から不動産を購入した時点で源泉徴収の制度を知らず、後日指摘を受けた場合、源泉徴収金額を購入者が一旦負担し納付することになります。不動産の購入に際しては、譲渡者が非居住者等であるかどうかの確認のため、公的書類の確認のみならず、本人に事前確認書の提出を求める等、細心の注意が必要です。


税理士 野間 民会