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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第102弾

知っておきたい最新の税務情報 第102弾 [2019.06.30]

消費税 クレジットカード・電子マネー払いの領収書は保存していますか?

 会社や個人事業主が納税する消費税は、売上に係る消費税額から、仕入や経費支払いに係る消費税額を控除(仕入税額控除)して計算します。仕入税額控除には、仕入れ等の事実を記載した帳簿の保存に加え、請求書、領収書、納品書等の書類(取引の相手側が発行した書類)のいずれかの保存が必要です。
 帳簿や請求書等は、法人税や所得税(事業所得など)の計算においても必要になるため、あまり気にすることなく消費税の帳簿及び請求書等の保存要件も満たしていることが多いと思われます。しかし、税目によって保存しなければならない帳簿書類等の種類や保存期間には差異があり、決済方法等によっては請求書等の保存が漏れやすいものも存在します。例えば、社長などが会社のクレジットカードで支払った際の領収書です。
 会社のクレジットカードで支払った経費の経理処理について、支払った際にその支払先から発行される領収書等を基に行うのではなく、カード会社から発行されるクレジットカードの利用明細を確認して処理するケースが多くあります。引き落とし金額とも付け合わせがしやすいため、領収書等はあまり確認せずに、帳簿作成の資料としてクレジットカードの利用明細を保存している会社や個人事業主が多く見受けられます。領収書等については、保存がなかったり経理担当者への提出が漏れていたり、利用明細で分かるからと領収書を受けとっていない場合すらあります。しかし、消費税の仕入税額控除には原則として支払先から発行される領収書等が必要ですから、その保存がなければ税務調査で否認されても反論できません。保存等の要件をしっかり把握する必要があります。
 仕入税額控除を受けるためには、帳簿及び請求書等の両方を消費税の申告期限から7年間保存しなければなりません(6年目と7年目は帳簿又は請求書等いずれか一方の保存でよ良いこととされています)。ただし、特例的な取り扱いとして、支払金額が税込みで3万円未満であれば請求書等の保存は必要ないこととされています。よって、クレジットカード払いの領収書が全てない場合であっても3万円未満の支払いについては仕入税額控除を受けることができます。
 近年、クレジットカード以外にも電子マネーなどキャッシュレスでの決済が増加してきています。領収書等がなくても、その利用履歴が分かるため帳簿作成には便利となりました。一方で、領収書等を確認せずに経理処理が進められることもあって、法令で保存義務が課されている書類であるにも関わらず、その取扱いが疎かになっていることが実際に見られます。また、これは消費税だけの問題ではありませんが電子マネーをチャージしたときに経費処理しているケースがあります。しかし、チャージの段階ではまだ経費ではありません。使用して初めて経費として認められます。そして仕入税額控除にはチャージではなく使用した際の領収書等の保存が必要です。
 今年の10月1日から消費税率が10%に引き上げられるため、請求書等の保存がなく仕入税額控除できないとなれば、その影響は更に大きくなります。消費税引き上げに伴う景気対策としてもキャッシュレス決済が話題となっています。各種法令が現代の取引、決済方法の変化・進化に追いついてない面もあるかもしれません。しかし、法定された要件を充足しない場合には税務上不利な課税が行われることもあります。クレジットカードや電子マネーの利用が普及してきているいま、社内の経費精算や書類保存の取扱いを今一度整理しておくと良いでしょう。



税理士 妹尾 明宏