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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第105弾

知っておきたい最新の税務情報 第105弾 [2019.09.30]

中小企業で増加している外国人労働者の税務上の注意点
1.はじめに

 厚生労働省によると、平成30年10月末時点の外国人労働者は約146万人となっています。岐阜県内においても、外国人労働者は31,279人となり、前年から3,568人増加しています。中小企業でも多様なバックグラウンドをもった外国人の雇用は珍しいことではなくなってきています。そこで外国人を雇用する際の税務上の取扱いについて、整理したいと思います。


2.居住者と非居住者

 まずは、外国人労働者が納税者として、どのように区分されるかを整理する必要があります。個人の納税者は、所得税法上、「居住者」と「非居住者」に区分され、さらに「居住者」は「永住者」と「非永住者」に区分されます。「居住者」とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。労働契約が1年以上であり、就労を目的として来日する外国人は「居住者」と取り扱います。また、「非永住者」とは、日本国籍を有しておらず、かつ過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である居住者をいい、「永住者」とは「非永住者」に該当しない居住者をいいます。これらの区分により、給与等の支払者などが徴収する課税の範囲や方法が変わるので注意が必要です。


3.労働者に関係する個別の経費について

①貸与した住宅について
 使用者が外国人労働者に住宅等を貸与することがあります。従業員に住宅等を貸与している場合、その徴収している賃貸料の額がその住宅等の「通常の賃貸料」に満たない場合には、その差額は給与として課税されます。なお、「通常の賃貸料」はその年度の家屋、敷地の固定資産税の課税標準額等に基づいて計算されます。なお、従業員から実際に徴収している賃貸料の額が、その住宅等につき計算した通常の賃貸料相当額の50%以上である場合には、その差額は経済的利益として課税されません。
②食事について
 使用者が従業員に対し支給する食事につき従業員から実際に徴収している対価の額が、当該食事の価額の50%以上であり使用者が負担した金額が月額3,500円以下(税抜き)の場合には、当該従業員が食事の支給により受ける経済的利益について課税されません。なお、使用者が調理して支給する食事は、その食事の材料等に要する直接費に相当する額、使用者が購入して支給する食事は、その食事の購入価額に相当する額を食事の価額とします。
③寄宿舎の電気料等について
 使用者が寄宿舎の電気、ガス、水道代等の料金を負担することにより、当該寄宿舎に居住する従業員が受ける経済的利益については、当該料金の額が、その寄宿舎に居住するために通常必要であると認められる範囲内のものであり、かつ、各人ごとの使用部分に相当する金額が明らかでない場合に限り課税されません。


4.年末調整、確定申告について

 外国人従業員は、扶養の対象となる家族が非居住者であることが多くあります。給与等の源泉徴収及び年末調整において、非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける居住者は、その国外居住親族に係る「親族関係書類」や「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出又は提示する必要があります。


5.結び

 外国人従業員を雇用する際の税務手続は、日本人を雇用する際と大きく違う点があり、注意点は多岐にわたります。外国人従業員を雇用することとなった際には税務署又は税理士に相談し、誤りがないように準備しましょう。



税理士 三浦 陽平