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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第106弾

知っておきたい最新の税務情報 第106弾 [2019.10.31]

いよいよはじまった軽減税率

 10月1日より消費税の引き上げ、及び、軽減税率制度がスタートしました。 改正消費税の変更点、特に軽減税率制度について、すでに様々な機会でその内容を確認済みとは思いますが、ここでは実務上誤りやすい論点について取りまとめました。

1.減税率(8%)に該当する取引とは

 簡潔にまとめると、以下の内容となります。本稿では◎の箇所を深堀りします。

(1)飲食料品の取引

・飲食料品(酒類を除く) ◎
・飲食料品と飲食料品以外の資産で構成された一体資産のうち所定の要件を満たすもの
(以下、一体資産) ◎

 但し、以下の取引は飲食料品の取引には含めません。

・外食 ◎
・ケータリング(指定した場所での飲食の提供)

(2)飲食料品の輸入
(3)定期購読する新聞(週2回以上発行に限る)の購読

なお、電子版新聞は新聞の購読ではなく、電子通信利用役務の提供に該当し標準税率(10%)適用。


2.飲食料品の判定

 飲食料品とは食品表示法に規定する食品を指します。
以下に紛らわしいケースを挙げていますので確認ください。


軽減税率(8%)
標準税率(10%)
考え方
1
ペットボトルの水
水道水の水
水道は生活用水の性格を持つ
2
食用の鮮魚
食用目的の生きている牛・豚・鳥

食品表示法では畜産物は切断時点から食品

3

ペットと一緒に食べることができるケーキ

人間でも食べられると宣伝されているペットフード

ペット用の目的で販売されているフードは標準税率

4

清涼飲料水に分類される

栄養ドリンク

医薬品、医薬部外品に

分類される栄養ドリンク

医薬品等(医薬部外品含む)は食品ではない

5
みりん風調味料

みりん

みりんは酒税法上の酒類
6

いちご狩りでお土産に別途購入するいちご

いちご狩りでその場で

食べるいちご(入場料)

いちご狩りの入場料は

役務の提供に該当



3.一体資産の判定

 一体資産とは以下に定義されます。

「飲食料品とそれ以外の資産があらかじめ一つの資産を形成・構成しているもの」かつ、「その一つの資産の価格のみ提示されているもの」おもちゃ付きのお菓子や、ビール・ジュース詰合せの贈答品などが代表例です。

 軽減税率となるのは、以下のいずれにも該当する場合です。

① 税抜価格が1万円以下であること
② 合理的な方法で計算した飲食料品相当の価格が、全体の価格の2/3以上であること
 「税抜価格が1万円以下であること」については実務上の問題があります。

・値下げやポイント利用の値引により税率が変わる
値引があった場合は、値引後の価格で判断することとなっており、表示価格は値引前で10%としても、値引の結果8%となるケースがありますので注意が必要です。
・税込価格10,801円~11,000円のパラドックス
 税抜10,000円は税込10,800円(8%)、税抜10,001円は税込11,001円(10%)となり、理論上は、税込10,801円から11,000円は存在しないことになります。しかし、例えば税込11,000円(10%)の商品を税込100円値引きし、税込10,900円(10%)とすると税抜9,909円となり、軽減税率が適用可能と思われ、実務では困惑することになると考えます。仕入税額控除を行う際には請求書等を確認し、どちらの税率が適用されているか確認する必要があります。

番外.一体資産の譲渡に似た用語で一括譲渡があります。
 一括譲渡とは「飲食料品とそれ以外の資産を同時に同一の買手に販売することです。
 この場合は、飲食料品とそれ以外の資産の別に税率を分けることになります。
 飲食料品の贈答でラッピング料が別途かかる場合(ラッピング料は10%)が該当します。
 また、ワゴンセール等で飲食料品とそれ以外の商品をよりどり〇品△円で販売する場合も該当しますが、この場合は販売価格を税率毎に合理的に按分する必要があります。



4.外食の判定

 外食とは、飲食設備を備えた場所で飲食させるサービスの提供を指します。
以下に紛らわしいケースを挙げていますので確認ください。


軽減税率(8%)
標準税率(10%)
考え方
1
レストランレジ前のお菓子
レストランでの食事
お菓子は購入時にテイクアウトする前提
2
お土産として注文した料理
飲食した残りの料理の持ち帰り
注文時点でテイクアウトor店内飲食の判断で決定
3
ホテル客室に置かれた飲料
ホテルのルームサービスの飲料

ホテル客室に置かれた飲料(酒類を除く)は単なる飲食料品の販売に該当

4
椅子・テーブルのない屋台での食事の提供
椅子・テーブルのある屋台での食事の提供

食事を提供する設備の有無

5
新幹線のワゴンサービス
飛行機の機内食
ワゴンサービスは単なる購入、機内食は座席での食事の提供
6
学校給食
学生食堂
学校給食法の規定に基づく学校給食は軽減税率適用


5.最後に

 軽減税率の導入は、判定の複雑さに加え、経理処理の煩雑さも伴います。特に仕入税額控除の経理処理を行う際には請求書、領収証の記載内容をよく確認して適正に処理するよう、今まで以上の注意が必要となるでしょう。



税理士  早川 功剛