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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第107弾

知っておきたい最新の税務情報 第107弾 [2019.11.30]

消費税の軽減税率における中小企業者の税額計算の特例

 令和元年10月より消費税率がアップし、これに伴い軽減税率制度もスタートしました。これにより、事業者は日々の業務において、適切な税率での記帳が求められます。しかし、中小企業にとっては日々の記帳業務において標準税率と軽減税率を区分することは大変な負担となりますし、準備が間に合わなかったという事態も想定されます。このため、いくつかの簡便的な計算方法が特例として認められています。


1.売上税額の計算の特例

 消費税の計算において、個々の取引ごとに標準税率の売上であるか、軽減税率の売上であるかを区分する必要があります。例えば、飲食店の場合であれば、売上ごとに店内での飲食(標準税率)かテイクアウト(軽減税率)かを区分します。この税率ごとの区分が困難な事情がある事業者について、課税売上の合計額に一定の割合を掛けて軽減税率の対象となる課税売上を計算する特例が経過措置として認められます。
 対象となる事業者:基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者
 経過措置の期間:令和元年10月1日から令和5年9月30日


①小売等の軽減仕入割合の特例
 卸売業者又は小売業者の場合には、売上に占める軽減税率対象品目の売上割合と、仕入に占める軽減税率対象品目の仕入の割合は概ね等しくなるため、当該事業に係る課税売上に小売等軽減仕入割合を掛けて軽減税率の対象となる課税売上を算出することができます。

小売等仕入軽減割合=軽減税率対象品目の売上のための課税仕入額÷課税仕入総額


②軽減売上割合の特例
 仕入れた商品を加工し販売するような業種では上記①の計算方法では合理的な計算ができません。このため、一定期間の実績から推計する方法が認められています。
 課税売上に、通常の連続する10営業日の課税売上に軽減売上割合を掛けて、軽減税率の対象となる課税売上を算出することができます。

軽減売上割合=通常の連続する10営業日の軽減税率対象品目の課税売上額÷通常の
連続する10営業日の課税売上総額


③いずれの方法も困難な場合
 上記①、②による計算が困難な中小事業者で、軽減税率対象資産の譲渡等を主として行う事業者の場合、課税売上額に50/100を掛けることにより、軽減税率の対象となる課税売上を算出する方法が認められます。

2.仕入税額の計算の特例

 仕入税額控除額を計算するためには、課税仕入ごとに標準税率であるか、軽減税率であるかを区分する必要があります。仕入を税率ごとに区分することが困難な事業者のために、一定の割合を軽減税率対象品目の税率として計算する特例があります。
 対象となる事業者:基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者
 経過措置の期間:令和元年10月1日から令和2年9月30日


①小売等軽減売上割合の特例
 卸売業者又は小売業者の場合には、売上に占める軽減税率対象品目の売上割合と、仕入に占める軽減税率対象品目の仕入の割合は概ね等しくなるため、課税売上を税率ごとに管理できる事業者であれば、当該事業に係る課税仕入等に小売等軽減減売上割合を掛けて、軽減税率の対象となる課税仕入等を算出し、仕入税額控除を行うことができます。  
小売等軽減売上割合=軽減税率対象品目の売上額÷課税売上総額

②簡易課税制度の届出の特例
 上記①による計算ができない事業者の場合、簡易課税制度を選択する方法があり、届出期間についての特例があります。
 通常であれば、簡易課税制度を選択するためには、選択しようとする課税期間の初日の前日までに、消費税簡易課税制度選択届出書を提出する必要がありますが、課税仕入等を税率ごとに区分して合計することが困難な事情がある事業者については、簡易課税制度の適用を受けようとする課税期間の末日までに消費税簡易課税制度選択届出書を提出することにより、簡易課税制度の適用が認められます。

  提出期限:令和元年10月1日から令和2年9月30日までを含む課税期間の末日まで


 今回ご紹介したように、軽減税率の導入にあたり、計算方法の特例が経過措置として導入されています。特例の適用にあたっては、税理士にご相談ください。



税理士 長尾 幸展