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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第108弾

知っておきたい最新の税務情報 第108弾 [2019.12.31]

法人加入の定期保険及び第三分野保険に係る保険料の取扱い

1.はじめに

 法人税基本通達の改正により、令和元年7月8日以後に法人が自己を契約者とし、役員又は使用人を被保険者とする定期保険又は第三分野保険の支払保険料についての取扱いが変更となりました。従来は、保険商品ごとに取扱いが定められていましたが、改正後については最高となる解約返戻率(最高解約返戻率)に基づいて損金算入割合が決定されることとなりました。 以下、本稿では、法人税基本通達改正後の支払保険料の損金算入時期の概略について解説します。



2.改正後の概略

 支払保険料の主な取扱いについては、最高解約返戻率に応じて次のそれぞれの区分となります。なお、令和元年7月7日以前の契約に係る支払保険料については、改正前の従来の取扱いが継続されます。


①最高解約返戻率50%以下の場合
契約年齢や保険期間の長短に関わらず、支払時に全額損金算入します。

②最高解約返戻率50%超70%以下の場合
保険期間の当初40%相当期間
支払保険料の40%を資産計上し、60%を損金算入します。
保険期間40%相当期間経過後から75%相当期間
支払保険料の全額を損金算入します。
保険期間75%相当経過後
支払保険料の全額を損金算入します。また、資産計上した金額を保険期間満了まで均等で取り崩し、損金算入します。
被保険者一人当たり年換算保険料相当額の合計額30万円以下である場合は、全額損算入が認められます

③最高解約返戻率70%超85%以下の場合
保険期間の当初40%相当期間
支払保険料の60%を資産計上し、40%を損金算入します。
保険期間40%相当期間経過後から75%相当期間
支払保険料の全額を損金算入します。
保険期間75%相当経過後
支払保険料の全額を損金算入します。また、資産計上した金額を保険期間満了まで均等で取り崩し、損金算入します。

④最高解約返戻率85%超の場合
最高解約返戻率到来前の当初10年間
支払保険料×最高解約返戻率×90%を資産計上し、残額を損金算入します。
11年目から最高解約返戻率到来年か年間の支払保険料に対する解約返戻金相当額の増加割合が70%を超える期間のいずれか遅い期間まで
支払保険料×最高解約返戻率×70%を資産計上し、残額を損金算入します。
上記の期間の翌年から解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間
支払保険料の全額を損金算入します。
解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間経過後
支払保険料の全額を損金算入します。また、資産計上した金額を保険期間満了までの均等に取り崩し、損金算入します。

 なお、最高解約返戻率とは、その保険の保険期間を通じて解約返戻率が最も高い割合になる期間におけるその割合をいいます。解約返戻率の計算は次のとおりとなります。





3.具体的計算(イメージ)

上記2の取扱いの具体的な計算例は、次のとおりとなります。

①保険期間20年、毎年の年間保険料100万円、最高解約返戻率60%の場合
保険期間1年目~8年目・・・資産計上額40万円、損金算入額60万円
保険期間9年目~15年目・・・損金算入額100万円
保険期間16年目~20年目・・・損金算入額164万円 ※
※100万円(支払保険料)+(資産計上額40万円×8年)(資産計上期間)÷5年(取り崩し期間)=164万円

②保険期間20年、毎年の年間保険料100万円、最高解約返戻率75%の場合
保険期間1年目~8年目・・・資産計上額60万円、損金算入額40万円
保険期間9年目~15年目・・・損金算入額100万円
保険期間16年目~20年目・・・損金算入額196万円※
※100万円(支払保険料)+(資産計上額60万円×8年)(資産計上額合計)÷5年(取り崩し期間)=196万円

③保険期間20年、毎年の年間保険料100万円、最高解約返戻率90%、最高解約返戻率が到来する年度が11年目、年間の支払保険料に対する解約返戻金相当額の増加割合が70%を超える年度が13年目、解約返戻金相当額が最も高い金額となる年度が15年目の場合
保険期間1年目~10年目・・・資産計上額81万円、損金算入額19万円
保険期間11年目~13年目・・・資産計上額63万円、損金算入額37万円
保険期間14年目~15年目・・・損金算入額100万円
※100万円(支払保険料)+(81万円×10年+63万円×3年)(資産計上額合計)÷5年(取り崩し期間)=299.8万円


4.おわりに

 保険商品ごとに取扱いが規定されていた従来の処理方法より理論的になったと思われます。一方で、上述したとおり取扱いの区分が細分化されたことに伴い処理が複雑になりました。毎期決算時期にその事業年度の経理処理が適正か確認する必要があります。詳細につきましては、税理士にお問い合わせください。


税理士 河合 基裕