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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第113弾

知っておきたい最新の税務情報 第113弾 [2020.05.14]

一般NISA(少額投資非課税制度)とつみたてNISA
2020年度の税制改正大綱では、NISA(少額投資非課税制度)の投資可能期間が延長された。2024年以降は新制度も創設される。ただ、仕組みがさらに複雑になり、新たに投資を始める人への浸透など課題も残るので、ここでは制度の正確な理解を深めるため整理をする。

(1)経緯
現行のNISAには主に一般NISAとつみたてNISAの2種類がある。
まず、2014年1月、家計の安定した資産形成を促進するため一般NISAが始まった。これは少額からの投資を行うための税制優遇制度である。通常、株式や投資信託等から得られた配当や譲渡益は所得税や住民税の課税対象となるが、一般NISAは毎年一定の新規購入分を対象に、最長5年間、非課税にする制度としてスタートした。
そして、2018年1月、新たにつみたてNISAが始まった。利益にかかる税金が非課税というところは同じであるが、内容は異なる。


(2)制度の概要
まず、どちらも1年間に投資できる非課税限度額及び期間が設定されている。一般NISAは120万円と大きいが非課税期間が5年と短い。一方、つみたてNISAは40万円と少額であるが非課税期間は20年と長い。
投資対象商品にも違いがある。一般NISAはETF(上場投資信託。日経平均などの市場の動きを表す指標に投資ができ、株のように証券取引所で売買ができる金融商品)やREIT(不動産投資信託。投資家から集めた資金で投資した不動産から得られる賃貸料収入や売買益を原資にした投資家に配当する金融商品)を含む上場株式と投資信託がある。一方のつみたてNISAは投資の知識を持たない方でも安心して商品を選べるよう、金融庁が長期の資産形成に適すると認めた手数料が低い株式投資信託やETFだけに限定されている。
投資方法にも違いがある。一般NISAは一度に投資することも積立投資もでき、投資方法に特に制限がないのに対し、つみたてNISAは毎月の積立方式でしか投資できない仕組みである。毎月コツコツと長期に積み立て運用することで資産形成が図れる。
どちらのNISAでも一定の期間が過ぎると非課税での運用が終わる。
しかし、一般NISAにおいては、5年間の非課税期間が終了したとき、新非課税口座へ移管(ロールオーバーという延長システムを利用すると最長10年となる)して非課税期間を延ばせる。移管できる金額は120万円を超えていても、翌年の新非課税口座に移管する場合、含み益を含んだ金額で移管ができる。一方、つみたてNISAは20年間の非課税期間から延長はなく、期間が経過すると終了する。
投資可能期間において、現状、新しく資金を拠出できるのは一般NISAが2014年から2023年、つみたてNISAは2018年から2037年までの20年間となっていたが、令和2年の税制改正大綱ではどちらも5年間延びる。


(3)NISAの注意点
どちらのNISAにも共通の注意点がいくつかある。一つ目は、その年の非課税枠の使い残しがあっても、その使い残した非課税枠を翌年に持ち越すことはできない。二つ目は、いったん購入した株式や投資信託を売っても、その売った金額が新たな非課税枠として使えない。つまり、一度使った非課税枠は、仮に一部解約したとしても、復活しない。三つ目は、NISA口座で損失が出たとしても損益通算や繰越控除は認められない。通常の課税口座なら、仮に損失があっても別にもう一つの課税口座に利益があれば相殺して、損益通算が認められる。また、損失は翌年以降3年間繰り越せる。しかし、NISAは損失がないものとみなされ、他の譲渡益や配当との損益通算や繰越控除はできない。

〈参考:金融庁資料〉令和2年度税制改正について
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/zeikaitaiko01.pdf


税理士 大矢 啓資