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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第115弾

知っておきたい最新の税務情報 第115弾 [2020.07.10]

報奨金、賞金、助成金の課税関係について
2020年は4年に一度の平和の祭典、夏のオリンピックが開催されるはずでした。残念ながら延期されることになりましたが、メダルを獲得した選手が受け取る報奨金や賞金、国等から支給された助成金について、個人が受け取った場合にはどのような課税関係が生ずるのでしょうか。個人の所得のうち非課税とされるものは所得税法第9条に列挙されています。この非課税規定に該当するか否か、また、課税されるのであれば、10種類のどの所得区分に該当するかにより所得計算が変わってきます。

(1)オリンピック、パラリンピックに係る報奨金について
所得税法第9条の規定により、オリンピック競技大会又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会、財団法人日本障害者スポーツ協会その他これらの法人に加盟している団体(以下、JOC等)であって政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するものは非課税となっています。
メダルの色によって報奨金の額は異なるようですが、JOC等から出されるものについては非課税となります。

(2)ワールドカップに係る報奨金について
所得税法第9条に規定されていないため、課税の対象となります。想定される課税関係は下記の通りです。
・プロスポーツ選手の場合:事業所得
・アマチュア選手の場合:勤務先からの賞金は給与所得、勤務先以外から受け取るものは一時所得、フリーランスの場合は一時所得

ちなみに2011年に優勝した「なでしこジャパン」の選手たちに出された報奨金は、非課税とはならず、所得税が課税されることになります。

(3)ノーベル賞の賞金
所得税法第9条の規定により、ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品は非課税とされています。原則は非課税と考えて問題なさそうにも思えますが、一部の賞には例外があります。ノーベル賞には、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学の6分野がありますが、経済学賞の賞金はノーベル基金からではなく、スウェーデン国立銀行から交付されることになっているようです。このため、所得税法第9条に該当しないことから、課税の対象になると考えられます。
昨年、ノーベル化学賞を受賞された吉野さんは、受けとられた賞金のうちノーベル基金から出されたものについては、上記の規定によって非課税となります。

(4)国や地方公共団体から支給された助成金について
個別の助成金の事実関係にも拠りますが、大別すると次のようになります。

【非課税となるもの】

・助成金の支給の根拠となる法令等の規定により、非課税所得とされるもの
・その助成金が学資として支給される金品、心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金に該当するなど非課税所得とされるもの

【課税となるもの】

①事業所得等に区分されるもの
事業者の収入が減少したことに対する補償や支払賃金などの必要経費に算入すべき支出の補填を目的として支給するものなど、業務上の取引に関連して支給される助成金は事業所得となります。多くの事業者が申請の検討をしている雇用調整助成金や持続化給付金は課税の対象となります。
②一時所得に区分されるもの
臨時的に一定の所得水準以下の方に対して支給するなど、業務上の取引に関連しないもので、一時に支給される助成金は一時所得になります。ただし所得金額の計算上、50万円の特別控除が適用されることに留意しなければなりません。
③雑所得に区分されるもの
上記①・②に該当しない助成金は雑所得となります。

このように、一見、課税の対象にならないようで、実は課税の対象になる報奨金、賞金、助成金があります。申告漏れなどにならないよう、疑問を感じたら税の専門家である税理士にお問い合わせください。




税理士 濵 久人