労務に関する問題

税務に関する問題

金融に関する問題

平井先生の労務のツボ

税務に関する問題

金融に関する問題

セミナー

検定

キラリ★この企業

電話でのお問い合わせ

お問い合わせ メールはコチラ

税務に関する情報

HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第118弾

知っておきたい最新の税務情報 第118弾 [2020.10.03]

令和2年分の所得税の改正について

 令和2年分の所得税から適用される改正事項が多くある事をご存じでしょうか。今回はその概要について解説します。


①基礎控除の改正

 令和元年分までの基礎控除は一律38万円でしたが、令和2年分からは下表の通り合計所得金額に応じて0円~48万円となり、合計所得金額が2,400万円以下の方は控除額が10万円拡大します。


合計所得金額 基礎控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

②給与所得控除の改正

 令和2年分から給与所得控除が引き下げられ、給与等の収入が850万円以下の方は控除額が10万円減額となります。850万円を超える方については以下の通り引き下げとなります。


給与等の収入金額(年収) 給与所得控除額
改正前 改正後
850万円超1,000万円以下 収入金額×10%+120万円 195万円
1,000万円超 220万円

③公的年金等に係る控除額の改正

 公的年金等に係る雑所得の計算をする際の控除額が減額となります。原則として10万円の減額となりますが、所得の金額によって異なる控除額が適用されることなりましたので注意が必要です。詳細は国税庁HPをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm


④所得金額調整控除の創設

(子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除)

 上記②の通り、年収850万円を超える場合、基礎控除の引上げ額を給与所得控除額の引下げ額が上回り、税負担が増加することとなりますが、子育て等の負担がある方については経済的余裕が必ずしもあるとはいえないため、「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」が創設され、以下のいずれかに該当する場合には控除を受けることができるようになりました。

(イ)本人が特別障害者である
(ロ)年齢23歳未満の扶養親族を有する
(ハ)特別障害者である同一生計配偶者を有する
(ニ)特別障害者である扶養親族を有する

控除額の算定式は次の通りとなっており、給与所得の金額から控除されます。
 控除額=(給与等の収入金額-850万円)×10%(※上限15万円)


(給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除)

 給与・公的年金の双方を受け取っている方については、基礎控除の引上げ額が原則10万円にとどまるのに対して、給与所得控除・公的年金等に係る控除がいずれも最低10万円は減額されてしまいます。このため「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」が創設され、10万円を上限として給与所得の金額から控除されることとなりました。


⑤ひとり親控除の創設

 これまでは寡婦(寡夫)控除という制度がありましたが、これらの控除は婚姻の事実が前提となっていたため、未婚のひとり親は寡婦(寡夫)控除を受けることができませんでした。令和2年からは、居住者がひとり親(現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない一定の者のうち、次の要件を満たすもの)である場合にはひとり親控除として35万円の所得控除を受けることができるようになります。

・生計を一にする一定の子を有する
・合計所得金額が500万円以下
・住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がない(事実上婚姻関係と同様の事情にある者がいない)

 なお、ひとり親控除の創設に伴い、従来の寡婦(寡夫)控除はひとり親に該当しない寡婦に係る寡婦控除に改組されました。


フロー図

(出所)国税庁「ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係) 」


⑥青色申告特別控除(65万円控除)の改正

 65万円の青色申告特別控除を受けていた個人事業者の方は令和2年から控除額が55万円に減額される可能性があるため注意が必要です。令和2年以降65万円の控除を受けるためには、電子申告により申告を行うこと、または電子帳簿保存を行うことが必要となり、いずれの要件も満たさない場合には55万円控除となります。従来通り65万円の控除を希望される場合には早めの準備が必要です。


税理士 浅岡篤史