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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第123弾

知っておきたい最新の税務情報 第123弾 [2021.03.03]

債権の回収不能時の法人税の取り扱いについて

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済的な打撃を受ける企業が多くなっています。世界的な経済低迷であり、かつ、今後の経済情勢や社会生活に大きな変化が起きることが想定され、どんな企業でも債権の回収は重要なテーマです。こうした状況下で万が一に備えて、取引先が法的整理、私的整理をした場合の債権の損金算入に関して法人税の取り扱いの内容を確認します。


1、貸倒引当金の個別事由による計上

(1)金銭債権に係る債務者に、以下の事由が生じた場合に、当該金銭債権の額(債務者から受け入れた金額があるため実質的に債権と見られない部分の金額及び担保権の実行、金融機関又は保証機関による保証債務の履行その他により取立て等の見込みがあると認められる部分の金額を除く。)の100分の50に相当する金額に達するまでの金額を限度として貸倒引当金として計上した場合には、その繰り入れた金額は損金の額に算入することができます。

(イ)更生手続開始の申立て
(ロ)再生手続開始の申立て
(ハ)破産手続開始の申立て
(ニ)特別清算開始の申立て
(ホ)手形交換所による取引停止処分
(ヘ)電子債権記録機関による取引停止処分


(2)また、以下の事由が生じた金銭債権の額のうち当該事由が生じた日の属する事業年度終了の日の翌日から5年を経過する日までに弁済されることとなっている金額以外の金額(担保権の実行その他によりその取立て又は弁済の見込みがあると認められる部分の金額を除く)を限度として貸倒引当金として計上した場合には、その繰り入れた金額は損金の額に算入することができます。

(イ)更生計画認可の決定
(ロ)再生手続認可の決定
(ハ)特別清算に係る協定の認可の決定
(ニ)法令の規定による整理手続きによらない関係者の協議決定で次に掲げるもの

①債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの

②行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容が①に準ずるもの


2、貸倒損失の計上

 金銭債権について次に掲げる事実が発生した場合には、その金銭債権の額のうち次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入します。

(イ)更生計画の認可決定、再生計画の認可決定があった場合において、この決定による切り捨てられることとなった部分の金額

(ロ)特別清算に係る協定の認可決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった部分の金額

(ハ)法令の規定による整理手続きによらない関係者の協議決定で次にかかげるものにより切り捨てられることとなった部分の金額

①債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの

②行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの


 法人税法の貸倒れに関する規定は厳格です。経営者が債権の回収は難しいと考えている場合であっても、その時期にあるいはその金額が税務上直ちに損金に算入されない場合も多くあります。日頃から、取引先の状況に十分に注意し、不良債権化しないように十分に留意する必要があります。また、取引先に貸倒れの懸念があると認識した場合には、資金繰りへの影響を把握し連鎖倒産回避に努めるとともに、早めに税理士等に相談し、決算への影響について検討するようにしましょう。


税理士 三浦陽平