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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第124弾

知っておきたい最新の税務情報 第124弾 [2021.04.30]

相続税法上における「みなし相続財産」とは
相続とは?

 「相続」とは、ある人が死亡したときにその人の財産(すべての権利や義務)を、特定の人が引き継ぐことをいいます。具体的には、亡くなった人の財産を配偶者や子どものほか、その人の関係者がもらうことです。相続では、この亡くなった人を「被相続人」、財産をもらう人を「相続人」といいます。

 相続財産といえば、預貯金であったり不動産であったり、実際に形あるものを想像しがちですが、民法上相続財産として明確に含まれているわけではない、税法上のいわゆる「みなし相続財産」があります。この「みなし相続財産」にはどのようなものが含まれるのでしょうか?


みなし相続財産とは? 

 相続は、民法に規定された相続財産を主に進めていかなければなりません。
 しかし、「相続財産」という名目でも、税法上の相続財産と民法上の相続財産では、具体的に含まれる財産の範囲が変わってきます。
 相続税の申告をする場合には『税法上』の相続財産を記載する必要がありますし、遺言書を書いたり、遺産分割協議をしたりする場合には、『民法上』の相続財産を対象とする必要があるのです。そして、民法上では相続財産として規定されておらず、税法上で相続財産として規定されている特別な財産のことを「みなし相続財産」といいます。
 みなし相続財産として代表的なものに、生命保険金と死亡退職金があります。生命保険金は、生前に契約して保険料を支払ってはいるものの、実際に預貯金口座に入っているお金ではありません。被保険者が亡くなってはじめて「財産」となるものです。死亡退職金もしかりです。
 契約者が他界し、なおかつ手続きを終えて初めて財産となる「みなし相続財産」は、金額や条件によっては相続税が発生することもあるので要注意です。「もしかしたら課税対象となるかも」と考えておかないと、いざそうなった場合に予想外の負担となるかもしれません。
 そのために、特に金額が大きくなる可能性のある生命保険金と死亡退職金についてみていきましょう。


生命保険金と死亡退職金には非課税枠がある

 みなし相続財産の生命保険金と死亡退職金には、非課税枠があるということをご存知でしょうか?生命保険金と死亡退職金は、一定額まで、相続税が非課税となる枠があります。生命保険金の場合は「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。
 例えば、法定相続人が配偶者と子1人の場合、生命保険金の非課税額は「500万円×2人」で1,000万円となります。生命保険金の金額が1,500万円だった場合は、そこから1,000万円差し引いた残りの500万円に対して相続税が課税されます。同じように死亡退職金にも非課税枠があり、生命保険金の場合と同じで「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。そのため「生命保険を相続したから必ずしも相続税が発生する」とは限りません。まずはこの計算式を活用して課税対象なのかどうかを確認するようにしておきましょう。


相続放棄してもみなし相続財産は受け取ることができる

 相続財産の中で、借金等マイナスの財産が多い場合は、民法に規定されている相続放棄をすることがあります。その際にも、みなし相続財産には注意しておかなければなりません。みなし相続財産は民法上の相続財産ではないため、相続放棄を行っても影響はありません。そのため、生命保険金等の受取人となっていれば、相続放棄をしても生命保険金等を受け取ることができます。しかしその場合、受け取った生命保険金に対して相続税がかかる場合があるので注意しましょう。


最後に

 2015年に相続税法が大きく変わり、相続財産を取得した際に、相続税を納税しなければならない人が多くなりました。相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に申告することになっています。適切な段階を踏み、財産を次の人に継承するためにも、早い時期に相続財産の有無を把握することが大切です。あるいは生前から被相続人の資産状況について情報共有しておくことが必要なのかもしれません。


税理士 阪本英久