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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第127弾

知っておきたい最新の税務情報 第127弾 [2021.07.31]

税務手続きもデジタル化へ

 令和2年早々から広まった新型コロナウイルス感染症の影響により、新しい生活様式の下、テレワーク等の新しいワークスタイルが確立されつつあります。しかし、契約等の取り交わしは対面、稟議書には上司の決裁印、契約書・請求書は紙媒体が主流という慣習が未だ見受けられます。税務関係書類も現在のワークスタイルに合わせるようなニーズがあり、それらを抜本的に見直す必要性がありました。
 令和3年度税制改正では、その取り組みに向けた改正がされましたので、その改正内容を2つご紹介します。


【1】税務関係書類における押印義務の見直し

 従来、実印による押印や印鑑証明書の添付を求めているもの等を除いて、押印義務が廃止されています。また、地方自治体の長に提出する地方税関係書類についても、国税同様押印義務が廃止されました。


<適用時期>

 令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用されています。


<改正内容>

 提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除いて、押印を要しないこととされました。

◎例外的に今後も押印が必要とされる書類

①担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
②相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

(例:相続時における遺産分割協議書)


<注意点>

 地方自治体の長に提出する地方税関係書類については、各地方自治体によって取扱いが異なるため、事前に確認しておく必要があります。


【2】帳簿等保存制度の見直し

 従来、帳簿書類等については、会計ソフト等を使用し作成することが一般的ですが、そのデータについては、紙媒体によって保存することが基本となっています。電子データのまま保存するためには、税務署長の承認を受ける必要があること等、いくつかの条件があります。
 今回の改正で、このいくつかの条件が大幅に緩和されることとなり、電子データ(電磁的記録)にて保存する手続きが容易になります。


<改正時期>

 令和4年1月1日以後備付けを開始する国税関係書類について適用されます。


<改正内容>

①税務署長による事前承認制度の廃止

 従来は、電子的に作成された帳簿書類を電子データのまま保存するためには、事前に税務署長から承認を受ける必要がありましたが、今回の改正によりその事前承認が不要となります。


②適用要件の緩和

 これまでは、訂正削除履歴を残しておく等、多くの条件を満たす必要がありましたが、下記の要件を満たせば、電子帳簿の保存が認められます。

1.電子計算機処理システムの概要書その他一定の書類の備付けを行うこと。
2.電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書等を備付け、ディスプレイの画面等に整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができること。
3.国税庁等の職員の質問検査権に基づくその国税関係帳簿書類に係る電子データのダウンロードの求めがある場合には、これに応じること。

③従来の要件を充たす電子帳簿保存についてはインセンティブを付与する。

 総勘定元帳等一定の国税関係帳簿について、従来の電子帳簿保存の要件を充たして電子保存し、その旨を届け出た者については、その電子帳簿に関連して過少申告があった場合の過少申告加算税が5%軽減されるインセンティブがあります。


<注意点>

 今回の改正によって、令和4年1月1日以後は電子メール等で取引情報を送受信している場合、メール等を紙に出力して保存するのではなく、その電子メールやメールに添付されたデータそのものを保存する必要があります。条件を充足していない場合、青色申告の承認取り消しにもなりかねないため、今後の動向を踏まえ、情報の管理方法や取引方法を見直す必要があります。


【3】まとめ

 社会的にデジタル化が進み、税務書類等もデジタル化に順応するような柔軟な改正であると言えます。一方、押印の義務がなくなったことにより、納税者の確認無くしての利用といった、自らの意思がなおざりにならないよう努める必要があること。また、電子帳簿保存の簡便化は、情報の漏洩・紛失・消去のし易さが潜んでいる可能性が考えられるため、注意が必要です。


税理士 阪本英久